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2007年9月29日 (土)

Shall we ダンス?

7648 小説「Shall we ダンス?」を読みました。映画もよかったですが、小説も楽しむことができました。

何より、映画と違うこの結末を書きたかったという周防正行さんのコメントにあったとおり、公園で一人踊るラストシーンは泣けました。というか、ナキムシの私は小説の後半ずーっとウルウルし通しでした。

憧れの人とラストダンスを踊る映画のシーンもそれはそれでとってもよかったのですけれど、最後は妻と子の家族、家庭を選択してくれてほっとする部分もありました。

子供ができて、家を建てて、なんだか人生先がみえたような
ぼーっとするような、このままで終わりたくないというか、
もう一度燃焼したいというか、とても共感できる部分もあり、
久しぶりに読書に没頭できました。

最初のほうにある「それぞれが、それぞれに、それぞれの
事情を抱え、それぞれの家に帰り、それぞれの生活をしているのだ。
そんな当たり前のことを感慨深く思っている自分に少し
驚いてもいた。前にはそんなこと考えもしなかったのに」
というところも、納得です。

私は昼間は忙しさにまぎれてあまり思わないのですけれど、
夜になって窓の外に広がる夜景を眺めると、あの一つ一つの
灯りの下にそれぞれの人生があるのだなあと思ってしまいます。

沢山のマンションの灯りの下に、子供たちとにぎやかに
夕食をとっている幸せな家庭もあり、甘ーい新婚家庭もあり、
老夫婦だけで穏やかに暮らしている部屋もあり。7660

ひょっとしたら、灯りのともっていない部屋にも、体の不自由な人が静かに体を横たえているのかもしれず、一人暮らしのさびしい若者や、夫に先立たれたご婦人や、姑と仲の悪いお嫁さんや、夜勤の夫を送り出す若奥さんや、家庭内別居状態の熟年夫婦。家庭内暴力、幼児虐待、金銭トラブル・・・とにかく楽しい家庭もさびしい家庭も、夜になれば灯りをともすのだなあと。

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